減塩すれば血圧が下がるというのは、本当でしょうか?
今、高血圧で病院へ行くと、主治医や栄養士から、 「塩分を減らした食事をしてください」 「塩分は、1日6g未満にしてください」 と指導されると思います。これは、もう何十年も繰り返し言われ続けていることですので、病院へ行かなくても誰でも知っていることですし、高血圧を改善する療法として常識になっていることです。
でも、実は、この常識を覆したあるプロジェクト結果があるのです。 そのプロジェクト結果とは、2000年に厚生省が開始した「健康日本21」というプロジェクトによるものです。このプロジェクトの目的は、生活習慣病や健康の改善でした。
「1日30分以上の運動」、「塩分を控える」など、いくつかの目標が設定され、5カ年計画で進められました。 そして、最終的に目標を達成できたのは、「低塩と減塩」だけでした。
本来であれば、この目標の達成によって高血圧の患者数は減るはずでした。 高血圧の原因とされていた“塩”の摂取量を減らしたわけですから、高血圧の人の数も減るはずだったわけです。
ところが、ふたを開けてみると、高血圧患者は減るどころか増えてしまい、さらには降圧薬を飲む人の数までも増えてしまったのです。 この結果を見てはっきりしたことは、 “塩分を控えても血圧は下がらない”ということだったのです。
「健康日本21」のプロジェクトは、“血圧と塩分には関係がない”ことを結論づける結果となったのです。