2017年4月28日金曜日

ローヤルゼリーの話 その4


ローヤルゼリーの製造過程において、分解処理や低分子化などを施したものは、既にローヤルゼリーの本質が壊されていますので、学術的な研究成果はあっても、それはローヤルゼリーでは無いと考えられています。

また、ローヤルゼリーと言えば『デセン酸』という物質が非常に有名です。その為、『デセン酸』が多ければ多い程、高品質なローヤルゼリーと思われている方も多くおられます。しかし多すぎるのは逆に不自然でもあります。
ローヤルゼリーはミツバチが作り出すもので、そのバランスが崩れたものはむしろ異常でもあります。

ローヤルゼリーに含まれる成分には、様々な脂肪酸、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ペプチドなどがあり、そのバランスが整ってこそ、初めてローヤルゼリーとして女王蜂を育てる事が出来るのです。

これは人間の健康維持と同じ事で、バランスの悪い食生活をすれば、簡単に健康を害してしまいます。特定の一つの成分だけが働くわけではありません。

2017年4月20日木曜日

ローヤルゼリーの話 その3


一般によく知られている話ですが、ローヤルゼリーを食べた幼虫だけが女王蜂になる事ができ、その女王蜂は働き蜂の20倍以上の寿命を持ち、毎日2000個近くの卵を産み続ける事が出来ます。
この働きはローヤルゼリー本来が持つものなので、ローヤルゼリーを加工すればするほど失われていきます。
ですから、できるだけローヤルゼリーはいじらずに食べることが好ましいと言うことになります。

とは言え、生の状態のローヤルゼリーを長期に保存していくと、酸化やローヤルゼリーそのものに含まれる酵素の働きで分解が始まり、ローヤルゼリー本来の良さが失われていきますので、保存が難しいのが難点です。

ローヤルゼリーの選び方のポイントとしては、
①生ローヤルゼリー
②凍結乾燥させただけのローヤルゼリー
がお勧めとなります。
副成分は補助的にローヤルゼリーを守るためだけに、配合したものが望ましいと考えられます。

2017年4月7日金曜日

ローヤルゼリーの話 その2



ミツバチは普通、一年に一度、一つの巣に、一つの王台を作り、そこで新しい女王を育て、新しい女王は成虫になると巣を出て、新しい自分の巣を作ります。
1つの王台からとれるローヤルゼリーは約300㎎です。
生の状態で300㎎ですから、粉末にすると約100㎎しか取れません。
名前の通り、ミツバチにとってのローヤルゼリーは、女王蜂を育てるための食べ物ですが、200年前の時代の人間からしてみれば王様であっても滅多に口にすることができない、とてつもなく貴重な食べ物だった事がわかります。
研究をしようにも高価すぎて、なかなか研究につかえない言うのが実情だったと思われます。

そんなローヤルゼリーに革命が起きたのは、1957年に日本養蜂研究会の会長によって、人工王台を利用したローヤルゼリーの量産技術が開発されてからです。
現在では、この人工王台を活用したローヤルゼリーの為の養蜂業が増えた事で、私たちでも食べる事が出来るほどまでに価格も下がり、それとともに活発な研究が行われるようになりました。

ローヤルゼリーの話 その1



人間とミツバチの歴史はとても古くて、紀元前6000年頃の洞窟の壁画に、蜂蜜を採る人間とミツバチの様子が描かれています。

ローヤルゼリーとして初めて登場するのは、約2400年ほど昔、アリストテレスの『動物誌』と言う物にローヤルゼリーの事が書かれています。
しかしアリストテレスは、ローヤルゼリーと女王蜂の関係を正確には把握できなかったようです。
幼虫は非常に小さく、また王台にたっぷり貯められたローヤルゼリーに紛れていてとても見つけにくいのです。

ローヤルゼリーが初めて「ローヤルゼリー」と呼ばれるようになったのは、今から約200年前のことで、スイスのミツバチ研究者、フランソワ・ユベールが出版した「蜜蜂の新観察」の中で「ゼレー・ロワイヤル」と記載されたのが最初だと言われています。

日本では、明治22年に、当時の農学博士の玉利喜造先生が「王家の舐物」という名称で紹介し、1959年にはある週刊誌が『不老長寿の新薬現る?』と題した記事を掲載して話題になったそうです。

非常に古くから、知られているローヤルゼリーですが、研究自体は意外と近年からで、医学的に研究されはじめたのは100年ほど前からですが、それでもごく小規模なものでしかありませんでした。漢方の高麗人参や肉蓯蓉 (カンカ)等と比較すると、かなり新しい素材ともいえますが、その原因は、あまりにも高価だったからだと思われます。