<他の病気との関係>
関節リウマチ
変形性関節症と同じように、関節に痛みや腫れが起こります。症状は似ていますが、限られた関節に症状が出る変形性関節症とは違い、関節リウマチは全身の病気であるため、発熱や貧血などが起こることもあります。関節リウマチが原因となって、変形性関節症が引き起こされる場合もあります。閉塞性動脈硬化症
変形性脊椎症では、背骨の中を通っている神経が圧迫され、歩きにくくなることがありますが、似た症状が「閉塞性動脈硬化症」でもみられます。閉塞性動脈硬化症とは、足の動脈に動脈硬化が起こり、血流が悪くなったり、血管がつまったりする病気です。足に十分な血液が送られなくなるため、痛みやしびれが起こり、少し歩くと、それ以上、歩き続けられなくなること(間歇性跛行:かんけつせいはこう)などが起こります
<変形性膝関節症の症状>
関節周囲の疼痛、腫脹、引っ掛かり感、違和感などがあります。原因と病態
関節表面を覆う関節軟骨は軟骨細胞と関節外のⅡ型コラーゲンとプロテオグリカン(糖タンパク)が主成分です。関節軟骨には血行や神経線維の分布はありません。関節症では機械的刺激などにより軟骨の変性・磨耗を生じ、また関節周囲を取り囲む滑膜の炎症が併発して変性が加速します。同時に関節周囲の骨軟骨形成などの増殖性変化を伴うこともあります。
それらの変化により血管増生や神経線維の増生をともなう関節包の線維化が起こり痛みが感じやすくなります。
図1 正常と変形性関節症の軟骨の模式図
(疾患別看護過程 医学書院 2008年12月15日 P.1501より)
関節の中では荷重関節として膝関節、股関節の関節症が重要です。上肢では労働者の肘関節がしばしば問題となります。50歳以上の1000万人が変形性膝関節症による膝痛を経験しています。
病態と症状の関連としては、関節炎に伴う自発的疼痛と腫脹、腫脹による動かしにくさや可動域制限が生じます。軟骨磨耗の進行により関節炎が起こりやすくなり、荷重の繰り返しにより疼痛を感じやすくなります。
軟骨が消失するとある程度以上の荷重刺激により疼痛を感じ、それを繰り返し、徐々に悪化していきます。
関節炎の繰り返しにより関節包の線維化が進行し、疼痛閾値が低下していきます。動き始めの動かしにくさも目立ってきます。
広範囲に軟骨が消失すると関節への負荷により疼痛を生じやすくなり、可動域制限が増悪し、動かしにくくなります。骨棘形成が進行すると関節拘縮を起こしやすくなります。
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