2018年10月22日月曜日

口に入れるシオは ツチヘンの『塩』

シオと言う字を漢字で書くには、幾つかの書き方があります。
サンズイに朝と書いて【潮】、サンズイに夕と書いても【汐】、どちらも読み方はシオですが、意味は海の波を表しています。
ところが口に入れる【塩】はサンズイではなくツチヘンを使います。
なぜ、土なのでしょうか?

 多くの古代の文明は河川流域の内陸に発達していて基本的に海辺ではないのです。
狩猟や農耕と言った食べ物を得るためには、山や森に近く開けた草原が適していました。
そして、生きていくために必要なミネラルは、山から岩塩を掘り出していました。
ポーランドのヴィエリチカ岩塩坑の岩塩製の地下大聖堂
 
今でも野生動物の多くは、ミネラルを補給するために山の中にあるミネラルが豊富な土をなめていきますが、海に行くのは極めて稀です。
 山から掘り出した塩は掘りつくすと無くなり、別なところを探す必要がありますし、運び出すのは険しく大変な作業だったと思われます。
都市が発展すれば人口も増えるので、今まで通りでは塩は不足していきます。そうして考え出されたのが、海水を濃縮させたのちに乾かして、塩を取り出すと言う高度な技術です。
つまり海からの塩はもともと代用品であり、本来岩塩こそが本当の塩と言う事になります。

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